tech 2026-05-03T10:30:00+09:00

OpenCode Web + Tailscale でモバイルからAI開発環境を構築する

外出先でもスマートフォンやタブレットからAIコーディングエージェントを使いたい。そんなときに便利なのが、OpenCodeのWebインターフェースとTailscaleの組み合わせだ。

背景

OpenCodeはターミナル上で動作するAIコーディングエージェントだが、opencode web コマンドでブラウザからも利用できる。これを自宅のPC上で起動しておき、外出先のモバイル端末からアクセスできれば、電車の中やカフェでも開発が進められる。

ただし、単に --hostname 0.0.0.0 を指定してポートを開放するのはセキュリティ的に不安だ。そこでTailscaleを使い、VPN越しに安全にアクセスする構成を組んだ。

必要なもの

  • OpenCodeがインストールされた開発PC(Linux/macOS/Windows WSL)
  • 同じPCにインストールされたTailscale
  • モバイル端末(iOS/Android)にTailscaleアプリ
  • 同じTailnetに参加していること

構成

graph TD
    subgraph "Tailscale Tailnet"
        A[モバイル端末<br>iOS/Android]
        B[自宅PC<br>OpenCode Web Server]
    end
    A -->|暗号化通信| B

Tailscaleはデバイス間を暗号化されたメッシュVPNで接続する。同じTailnet内にあれば、外部からのポート開放や固定IPは不要で、MagicDNSを使ってデバイス名でアクセスできる。

手順

1. OpenCode Webを起動する

開発PCで、プロジェクトディレクトリに移動してから以下を実行する。

OPENCODE_SERVER_PASSWORD=your-secure-password opencode web --hostname 0.0.0.0 --port 4096

ポイントは以下の通り。

  • --hostname 0.0.0.0: ローカルホスト以外からのアクセスを許可する
  • --port 4096: ポートを固定する(省略時はランダム)
  • OPENCODE_SERVER_PASSWORD: ネットワーク公開時の認証パスワード

パスワードを設定しないとサーバーが無防備になるため、必ず設定すること。デフォルトのユーザー名は opencode だが、OPENCODE_SERVER_USERNAME で変更も可能だ。

2. Tailscaleで確認する

開発PCがTailscaleに接続されていることを確認する。

tailscale status

開発PCのTailscale IP(100.x.x.x)またはMagicDNS名(your-pc.tailabc.ts.net など)を控えておく。

3. モバイル端末からアクセスする

  1. モバイル端末のTailscaleアプリを起動し、同じTailnetに接続する
  2. ブラウザで http://<開発PCのTailscale IP>:4096 または http://<MagicDNS名>:4096 を開く
  3. Basic認証ダイアログが表示されたら、ユーザー名 opencode と設定したパスワードを入力する

これでOpenCodeのWebインターフェースが表示され、モバイル端末からでもコードの閲覧・編集・AIへの指示ができる。

セキュリティの考慮事項

  • 認証パスワードは必須——OPENCODE_SERVER_PASSWORD を設定しないと誰でもアクセスできてしまう
  • Tailscale ACLの活用——TailscaleのACLを使って、OpenCodeサーバーへのポートアクセスを特定のデバイスやユーザーに絞ることもできる
  • mDNSは慎重に判断する——--mdns を有効にすると opencode.local などでLAN内に広報されるが、Tailscale越しの利用を想定するなら不要だ

実際の使い心地

ブラウザからの操作はターミナル版と同じセッション管理が使える。opencode attach でTUIからも同じセッションに接続できるため、PCではターミナル、外出時はモバイルブラウザと使い分けることも可能だ。

画面サイズが小さい端末では、コードレビューや軽微な修正に留めるのが現実的だが、「電車の中で急ぎのバグ修正をAIに頼む」というシーンには十分使える。

まとめ

OpenCode Web + Tailscaleの組み合わせにより、モバイル端末から安全にAI開発環境にアクセスできる。特に以下の点が便利だ。

  • ポート開放や固定IP不要
  • Tailscaleの暗号化通信で安全
  • MagicDNSでIPアドレスを気にせずアクセス
  • 認証機能で不用意なアクセスを防ぐ

自宅の高性能な開発PCをそのままAIエージェントのホストとして使い、外出先からも手軽に開発を続けたい人にはおすすめの構成だ。